ハンドベルの基礎知識
みんなで息を合わせて作り出す音楽
それぞれに担当する音階を割り振られ、1人2〜5つほどの音階を受け持ち、演奏をします。1つのベルが1つの音に対応するので、ベルを持ち替えながら周りのメンバーと息を合わせて演奏をします。一人欠けてしまうと、その音が抜けてしまう。チームワークが特に重要な楽器です。
「コップの水をこぼさないように」
演奏時は基本、両手にそれぞれ1本ずつベルを持ちます。ベルを鳴らすときは、勢いよく前につきだし、遠くにまで音が届くように円を描きながら回し、音を止めるときはベルを胸に押さえつけます。その際、ベルはできるだけ傾けずに「コップの水をこぼさない」ような意識で演奏するのがポイントです。
「天使の歌声」と称されるハンドベル
17世紀にイギリスの教会で生まれたハンドベル。正式名称を「イングリッシュベル」といい、「天使の歌声」と呼ばれる荘厳で上品な響きが特徴の楽器です。
ハンドベルの鐘の部分は銅と錫の合金でできており、小さいもので約300g、大きいもので約3kgの重さがあります。この鐘の中にある「クラッパー」と呼ばれる振り子を鐘の部分に当てることで、音を出すことができます。
ハンドベルってどんな楽器?
様々な演奏法
ハンドベルの歴史
はじまりは「大切なことを知らせる」ためのベル
ハンドベルは今から400年ほど前にイギリスで生まれました。
当時イギリスの教会には高い尖塔があり、そこにはいくつものベルがついていました。それらは「タワーベル」と呼ばれ、塔の下から長い綱の先についているベルを振り鳴らすことによって、村人たちに時間を教えたり、人が亡くなったことを知らせたりするはたらきをしていました。
ですが、知らせる内容によってベルの鳴らし方が違う上に、用事がないのにそれを鳴らすことはできなかったので、人々は練習をしたり、鳴らし方を覚えることができませんでした。
そこで、なんとかして練習ができないものかと考えた末に、直に手に持って鳴らすことのできる「ハンドベル」が生まれたのです。その後、音階も増え、形も改良されながら、単にタワーベルの練習用としてだけでなく、教会や街中で賛美歌やキャロルなどの演奏に用いられる楽器になっていきました。